並列画像処理ワーキングセット(以下ワーキングセット)とはVIOSにおいて、
並列実行の単位
として定義されたものです。ワーキングセットは並列実 行に必要な全ての情報を持ちます。
VIOS画像処理において、ワーキングセットごとに必要な情報はすべてユーザが定
義する必要が
あり、VIOSはその定義に従ってさまざまな情報をワーキングセッ トごとに振り分けます。
VPE-pを用いたVIOSプログラム中、parallel文内で宣言された変数はすべ
て各ワーキングセットごとに独立した並列処理ローカル変数となります。
ワーキングセット全体に共通の変数を用いたい場合は、モジュールの先頭で定義
した大域変数を用います。
VIOSでは、画像処理の持つ局所独立性を生かした画像処理を行います。そのため、
入出力画像や中間画像などの画像情報のうち、必要な情報は画像の局所部分の画
素値とその位置情報だけとなります。そこでVIOSでは、並列実行を行う際に必要
な画像データだけを各ワーキングセットに分割して渡します。
分割 方法を以下の4種類から選択します。
pixel
画像を画素ごとに分割して並列処理を行います。各ワーキングセッ トは1画素の情報を持ちます。row, column
画像を行、列ごとに分割して並列処理を行います。各ワーキングセッ トは画像の1行、あるいは1列分の画素情報を持ちます。box
画像をユーザが指定する小領域ごとに分割して並列処理を行います。 各ワーキングセットは画像の小領域分の画素情報を持ちます。all
画像を分割せずに処理を行います。各ワーキングセットは画像全体 の情報を持ちます。
これらの分割方法によって分割された画像情報以外に、VIOSでは画像デー タキャッシュを用いる
ことによって、ワーキングセット周辺領域の画素情 報を持つことができます。