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: 並列処理構文 : プログラミングモデル : プログラミングモデル


ワーキングセット

データ並列処理は一般に,ある特定データの小領域(pixelなど)単位に対して 並列性を有することが多い. 例えば,Laplacianフィルタの場合,処理対象画像の各pixel,ボロノイ分割の場 合,母点を格納した配列の各要素,単位で並列処理することが可能となる.

そこでVIOSでは,並列処理の軸とするデータに対し,

  1. 各処理の中心となる注目要素
  2. 並列処理の間,参照のみを行うキャッシュ半径
  3. データ並列の依存関係
の3種類の情報を有する,ワーキングセットと呼ぶ単位を,それぞれ無限に生成 可能な論理スレッドと1対1に対応させ並列処理を行うモデルを採用している. また1ワーキングセットを構成するデータ構造は,3.2章で述べる並列構 文,およびメインフロー部でのセット関数により様々なタイプから選択すること が可能である.

このようにして定義したワーキングセットに対し,以降に示す構文を用いて処理 を記述することが,VIOSにおける基本的な並列処理スタイルとなる.



Tomohide Kawawaki 平成14年3月22日