競合検出単位の細粒度化によるトランザクショナルメモリの高速化

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堀場 匠一朗, 浅井 宏樹, 江藤 正通, 津邑 公暁, 松尾 啓志 : "競合検出単位の細粒度化によるトランザクショナルメモリの高速化", 情処研報 (SWoPP2012) ,pp1--10 (Aug. 2012) 予稿

Abstract

マルチコア環境における並列プログラミングでは,共有リソースへのアクセス制御にロックが広く利用されてきたが,その場合,デッドロックの発生や並列性の低下等の問題がある.そこで,ロックを用いない並行性制御機構としてトランザクショナル・メモリ(TM) が提案されている.これをハードウェアで実現するHTMでは,トランザクション内で発生したリードおよびライトアクセスの情報をキャッシュライン単位で記憶するため,他のトランザクションでアクセスされた変数とは異なる変数にアクセスしたとしても,それらの変数が同一キャッシュライン上に配置されていた場合,競合として判定されてしまう.そこで本稿では,競合の検出単位を細粒度化し,%% 本来ならば検出されるはずのない本来競合ではないアクセスが競合として検出されてしまうことを防止する手法を提案する.評価の結果,既存手法に比べて,最大89.4%,16スレッドで平均26.3%の実行サイクル数の削減を確認した.


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