LogTMにおける依存関係情報を用いたアボート抑制手法

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堀場 匠一朗, 江藤 正通, 浅井 宏樹, 津邑 公暁, 松尾 啓志 : "LogTMにおける依存関係情報を用いたアボート抑制手法", 先進的計算基盤システムシンポジウム (SACSIS2012) 論文集 ,pp108--115 (May. 2012) 予稿

Abstract

マルチコア環境における並列プログラミングにおいて,共有メモリへのアクセス制御にロックが広く用いられてきた.しかし,ロックには並列性の低下やデッドロックの発生などの問題がある.そこで,ロックを用いない並行性制御機構として,トランザクショナルメモリが提案されている.このハードウェアによる一実装であるLogTMにおいては,possible_cycleと呼ばれるフラグを用いてデッドロックの発生を検出する.しかしこの手法では,デッドロックの判定に偽陽性が存在し,アボートが過剰に発生する可能性がある.そこで本稿では,3者以上のトランザクション間の依存関係を考慮しデッドロックを検出可能とする手法を提案し,さらに適切なアボート対象を選択する手法を検討する.シミュレーションによる評価の結果,提案手法によりアボートの発生が抑制され,最大31.5%の高速化を確認した.


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