再利用表パージアルゴリズムの改良による自動メモ化プロセッサのハードウェア削減手法

Info

柴田 裕貴, 神村 和敬, 津邑 公暁, 松尾 啓志, 中島 康彦 : "再利用表パージアルゴリズムの改良による自動メモ化プロセッサのハードウェア削減手法", 情処研報 (SWoPP2013) ,pp1--9 (Jul. 2013) 予稿

Abstract

我々は,計算再利用技術に基づく自動メモ化プロセッサ,およびこれに値予測に基づく投機マルチスレッド実行を組み合わせた並列事前実行機構を提案している.自動メモ化プロセッサは,関数とループを計算再利用の対象としており,実行時にその入出力を再利用表に記憶しておくことで,同一入力による同一命令区間の実行を省略する.本稿では,再利用表をより効率的に利用するためにループの特徴を利用した再利用表パージアルゴリズムを提案する.また,ループにおいて再利用が見込めない入出力の登録や検索を中止する機構も併せて提案する.これらにより,性能を低下させることなく再利用表の一部を構成しているCAM を小容量で実装できるようになり,自動メモ化プロセッサの消費エネルギーを削減できると考えられる.SPEC CPU95 を用いてシミュレーションにより評価した結果,従来モデルにおいて,CAMの容量を128KBytes とした場合には最大40.5 %,平均9.6 %,8KBytes とした場合には最大24.9 %,平均4.4 %であったサイクル削減率が,提案モデルでは,8KBytes で最大40.6 %,平均10.6 %となり,性能を低下させることなく,より小容量のCAM で実装できることを確認した.


Go back to index.

foobar