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ワーキングセット


データ並列処理は一般に、ある特定のデータの小領域(ピクセルなど)単位に対して並列性を有することが多い。例えば、Laplacianフィルターの場合、処理対象画像の各ピクセル単位で、ボロノイ分割の場合、母点を格納した配列の各要素単位で、並列処理を行うことが可能になります。

そこでVIOSでは、並列処理の軸とするデータに対して、

  1. 各処理の中心となる注目要素
  2. 並列処理の間、参照のみを行うキャッシュ半径
  3. データ並列の依存関係

の3種類の情報を有する、ワーキングセットと呼ぶ単位を、それぞれ無限に生成可能な論理スレッドと1対1に対応させ並列処理を行うモデルを採用しています。また、1ワーキングセットを構成するデータ構造は、で説明する並列処理構文(parallel文)、およびメインフロー部でのset関数により様々な形式から選択することが可能となっています。

このようにして定義したワーキングセットに対し、以降で説明する構文を用いて処理を記述することが、VIOSにおける基本的な並列処理スタイルとなります。


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