エネルギー制御を備える自動メモ化プロセッサ

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島崎 裕介, 津邑 公暁, 中島 浩, 松尾 啓志, 中島 康彦 : "エネルギー制御を備える自動メモ化プロセッサ", 先進的計算基盤システムシンポジウム (SACSIS2008) 論文集 ,pp57--64 (Jul. 2008)

Abstract

我々は,計算再利用技術に基づく自動メモ化プロセッサを提案している.本稿では,自動メモ化プロセッサに電力評価モジュールを実装し,シミュレータレベルでの消費エネルギー評価を行った.メモ化により高速化を図ることは可能だが,プログラムによってはメモ化の効果が現れず,メモ化機構追加分のエネルギーを余分に消費する場合がある.そこで新たに,計算再利用率に応じてメモ化の中断や再開を行わせることで,本来メモ化の効果が得られる時間区間のみメモ化機構を動作させる機能を実装した.この機能による削減サイクル数の低下はほとんど見られず,プログラム中全ての関数をメモ化対象とする従来手法の場合,SPEC CPU95では平均15.4%,GAプログラムでは平均1.9%のエネルギー増加が起きていたが,本手法によりSPEC CPU95で平均1.7%の増加,GAプログラムでは平均3.7%の減少となり消費エネルギーを削減することができた.この結果から,メモ化の中断および再開により,高速性をほとんど損なうことなく低消費エネルギー化を実現できることが分かった.


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