研究内容紹介(2005年度版)

最新の研究はこちらです。

分散処理環境VIOS
ネットワーククラスター環境VIOSは、我々の研究室で平成2年より開発しており、現在Ver4.1が公開されています(ソフトウエアの公開はVer3.0から始まりました)。VIOSでは、データの分割、データ転送などをユーザが記述する必要がない分散処理環境です。たくさんのサンプルプログラム(FDTD法(PML境界条件付き)や、離散ボロノイ変換など)も公開しています。

実時間動画像処理環境Streaming VIOS:
リアルタイムOSでないLINUX上で、実時間動画像処理を行うために、新しく、”解像度非依存プログラミング”という考え方を導入し、疑似リアルタイム機能を実現する実時間動画像処理環境です。まだ不十分ですが、Ver.0.9を公開しております。また実時間動画処理のアプリケーションとして、”顎関節異常診断システム”、”人物の実時間計測、実時間トラッキングシステム”の開発も行っています。

ギガリングクラスタ:
複数の計算機をスイッチングハブなどで結合するのではなく、1つの計算機に対して2つのネットワークインターフェースを配し、リング上に結合したリング結合のクラスタコンピューティング環境です。さらにこのギガリングクラスタシステムでは、分散された主記憶を、オンデマンド転送でなく、常時転送状態とすることにより、擬似的にアクセスにかかるコストを減らす方式を採用しています。

マルチーエージェント協調学習:
複数のエージェントが利己的に行動するのではなく、他のエージェントと協調しながら学習を行う、”協調学習”の枠組みを強化学習を用いてアプローチしています。

分散制約充足問題:
2つのノード間の制約集合を充足させる制約充足問題を分散化し、それぞれのノードが近傍のノード情報しか観測できない条件で、制約充足を行う分散制約充足問題について検討しています。

P2Pアドホックネットワークにおけるルーティング:
MANETで提案されている決定論的ルーティングではなく、確率と学習の枠組みを使ったルーティングアルゴリズムを開発しています。

P2P環境における位置推定問題:
GPSを持った複数の基地局の情報を用いて、GPSを持たない(もしくはGPS衛星を観測できない)端末の位置を推定するアルゴリズムを開発しています。

P2P環境におけるアプリケーションレベルマルチキャスト:
従来の3層でのマルチキャストではなく、アプリケーション層でのマルチキャストをP2P環境で実現するための、プロトコルの開発を行っています。

Webにおけるコミュニティの発見:
Web上において関心や興味を共有する人々によって作成されたWebページ集合(Webコミュニティ)を発見する手法を開発しています。

ARH-MAT:
我々の研究室で提案したアドホックP2PルーティングアルゴリズムARHを、Linux上にカーネルモジュールとして実装しました。まだ開発版ですが、Ver.0.0.1を公開しております。

2台の高解像度ラインカメラを用いた車両の全長測定 2台の高解像度のラインカメラを用いて移動車両の全長を1cm以下の精度で計測する研究を行っています。